リクガメを健康に育てるためには、ケージ内の「温度」と「湿度」の管理が何よりも重要です。
リクガメは種類によって乾燥地帯や草原、森林周辺などさまざまな環境に生息しています。
日本とは気候が異なるため、飼育下では温度・湿度を適切に管理することが大切です。
そこで欠かせないのが「温湿度計」です。人間の感覚だけで「これくらいなら大丈夫だろう」と判断するのは非常に危険であり、最悪の場合は命に関わる事態を招くこともあります。
この記事では、リクガメ飼育における温湿度管理の重要性から、失敗しない温湿度計の選び方、おすすめのアイテム7選、さらには効率的な設置場所まで、初心者にも分かりやすく徹底解説します!
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リクガメ飼育に温湿度計が必要な理由

リクガメは「変温動物」です。
人間のように自ら体温を調節することができないため、周囲の環境温度がそのままカメの活力や健康状態を左右します。
また、日本の気候はリクガメにとって「寒すぎ」たり「乾燥しすぎ」たりすることが多く、温湿度計による正確な数値の把握が不可欠です。
温度不足によるリスク
ケージ内の温度が不足すると、リクガメの活性が著しく低下します。
- 消化不良・食欲減退:体温が上がらないと内臓がうまく働かず、エサを食べなくなったり、食べたものを消化できずに胃腸の中で腐らせてしまったりします。
- 免疫力の低下:代謝が落ちることで免疫力が下がり、呼吸器感染症(風邪や肺炎)にかかりやすくなります。鼻水を垂らしている場合は、温度不足を疑う必要があります。
湿度不足によるリスク
リクガメは種類によって好む湿度が異なりますが、過度な乾燥は万病のもとになります。
- 脱水症状・便秘:乾燥した環境が続くと体内の水分が失われ、尿酸が体内で固まって排泄できなくなる「尿路結石」や「便秘」の原因になります。
- 甲羅の変形:湿度不足や栄養バランス、成長速度など複数の要因が関係すると考えられています。甲羅の成長が不均一になり、ボコボコと歪んで育ってしまう(ピラミッディング)リスクが高まります。
ベビーリクガメは特に湿度管理が重要
大人のリクガメにある程度耐性があっても、生後間もない「ベビー(幼体)」の時期は特にデリケートです。
ベビーは乾燥の影響を受けやすく、脱水や甲羅の成長不良などにつながる可能性があります。
乾燥地帯に生息するケヅメリクガメやギリシャリクガメのベビーであっても、幼少期は60%〜70%程度の高めの湿度を維持することが推奨されています。
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リクガメ用温湿度計の選び方

ショップやネット通販には数多くの温湿度計が並んでいますが、リクガメ飼育に最適なものを選ぶための4つのポイントを紹介します。
デジタルタイプがおすすめ
温湿度計には「アナログ」と「デジタル」がありますが、断然デジタルタイプがおすすめです。
パッと一目で正確な数値(0.1℃単位など)が読み取れるため、忙しい朝や夜間でも一瞬で環境を確認できます。
また、後述する便利な付加機能がついているのもデジタルの強みです。
外部センサー付きが便利
コードの先にセンサーがついている「外部センサー付き」の温湿度計は、非常に利便性が高いです。
本体はケージの外(見えやすい場所)に設置し、センサーだけをケージ内の測定したい場所に固定することができます。
これにより、本体がリクガメに汚されたり、踏まれて壊されたりするリスクを防げます。
最高・最低温度記録機能があると安心
リクガメ飼育で最も怖いのは、「自分が留守にしている間や、寝ている間にケージ内がどうなっていたか分からない」ということです。
「最高・最低温度記録機能(メモリー機能)」があれば、過去24時間やリセットしてからの期間内に「最も暑かった温度」と「最も寒かった温度」を記録してくれます。
「夜間に想像以上に冷え込んでいた」といった異常に気づくことができるため、必須とも言える機能です。
視認性の高い液晶を選ぶ
ケージから少し離れた場所や、部屋が薄暗い状態でも数値がハッキリ見える、液晶画面が大きくて文字が太いものを選びましょう。
毎日何度も目にするものだからこそ、ストレスなく確認できる視認性の高さが重要です。
リクガメにおすすめの温湿度計7選

リクガメ飼育者から支持されている、定番・人気の温湿度計を7点厳選してご紹介します。
SwitchBot 温湿度計プラス
近年、爬虫類飼育者の間で大人気となっているスマート家電です。
スマホと連動して外出先からリアルタイムでケージ内の温湿度を確認でき、過去のデータをグラフで確認することも可能です。
さらに別売りのハブと組み合わせれば、「温度が下がったら自動でエアコンやヒーターのスイッチを入れる」といった未来の飼育環境が作れます。
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シンワ測定 デジタル温湿度計
計測機器の老舗メーカーであるシンワ測定の製品は、その高い精度と信頼性が魅力です。
文字が大きく、最高・最低の推移もボタン一つで確認できます。シンプルかつタフな作りで、長く使える実力派です。
タニタ デジタル温湿度計(TT-559など)
家庭用計量器でおなじみのタニタ製。
インテリアに馴染むデザインでありながら、時計機能や最高・最低温湿度の自動メモリー機能を搭載しています。
コンパクトで視認性が高く、ケージの外側に貼り付けたり、近くの棚に置いたりして使うのに最適です。
エンペックス 温湿度計
エンペックスは、高品質なアナログメーターを数多く製造しているメーカーです。
「どうしても電池交換の手間を省きたい」「インテリア性を重視したい」という方には、エンペックスの高精度なアナログ温湿度計が選ばれています。
GEX レプタイル用温湿度計(コードレスデジタル温湿度計)
爬虫類用品の大手GEX(ジェックス・エキゾテラ)が手掛ける、爬虫類飼育に特化したコンパクトなデジタル温湿度計です。
コードレスでケージ内にすっきり収まる3WAY仕様(前面ガラス、背面ガラス、ワイヤーケージに対応)になっており、ケージ内のレイアウトを邪魔しません。
ビバリア ツインメーターNEO
爬虫類メーカー「ビバリア」の、超定番アナログ温湿度計です。非常にリーズナブルで、付属のキスゴム(吸盤)でケージのガラス面にペタッと貼るだけで設置完了。
色分けされた文字盤で「快適ゾーン」がひと目で分かるため、サブの温湿度計として複数持ちするのにも便利です。
ドリテック デジタル温湿度計
コスパ重視の方におすすめなのがドリテック。大画面で非常に見やすく、最高・最低の記録機能もしっかり備わっています。
手に取りやすい価格帯なので、ケージ内の複数箇所を同時に計測したいときのまとめ買いにも適しています。
温湿度計の設置場所

ケージ内の空気は均一ではありません。
リクガメの行動範囲や、ライトの当たり方によって全く異なるため、正しい位置に設置する必要があります。
ホットスポット付近
バスキングライト(保温・紫外線ライト)が当たっている、ケージ内で最も高温になるエリアです。
ホットスポットは飼育している種類に合わせて30〜40℃程度を目安に調整しましょう。
ただし、センサーがライトの真下すぎるとメーターが振り切れてしまうため、「ライトの光が当たる床面付近」に設置するのがコツです。
ケージ中央
ケージ全体の「基本となる環境(生活ゾーン)」を把握するために設置します。
ケージ中央は25〜28℃程度を目安にし、種類に応じて調整しましょう。
シェルター付近
リクガメが体を休めたり、眠ったりする場所です。
ホットスポットから最も離れた「クールダウン(涼しい)スペース」になることが多いため、ここが冷えすぎていないか(最低でも20℃〜24℃以上をキープできているか)をチェックします。
また、シェルター内は湿度がこもりやすいため、湿度管理の目安にもなります。
複数設置がおすすめなケース
リクガメ飼育の理想は、ケージ内に「温度勾配(あたたかい場所と涼しい場所の差)」を作ることです。
カメが自分の意志で快適な場所に移動できるようにするためです。 そのため、「ホットスポット付近」と「シェルター付近(またはケージの反対側)」の最低2箇所に温湿度計を設置するのが最もおすすめです。
これにより、ケージ内の温度差や湿度の変化をより正確に把握できるようになります。
温湿度管理をさらに楽にするアイテム

温湿度計で異常に気づいた際、環境をコントロールして管理を自動化・半自動化してくれるお助けアイテムを紹介します。
サーモスタット
設定した温度に合わせて、保温器具(ヒーター)の電源を自動でON/OFFしてくれる制御装置です。
これがあれば、「昼間は暖かく、夜間は少し温度を下げる」といった管理が自動化でき、事故(温まりすぎ、冷えすぎ)を防ぐことができます。
加湿器
特に冬場の乾燥対策に威力を発揮します。
お部屋全体を加湿器で潤すか、爬虫類専用のケージ内に霧を送り込むタイプの加湿器を使用することで、リクガメの脱水や甲羅の変形を防ぎ、常に理想の湿度をキープできます。
暖突(だんとつ)
ケージの天井に設置して、上部からじんわりとケージ全体を暖める遠赤外線ヒーターです。
ライトのように光を出さないため、夜間の保温に最適です。
霧吹きをしても球切れする心配がなく、ライトより空気を乾燥させにくい傾向がありますが、湿度は下がるため定期的な霧吹きなどの管理は必要です。
パネルヒーター
ケージの底面(外側)に敷いて、お腹から温めるヒーターです。
パネルヒーターは夜間の保温補助や、シェルター付近の床を穏やかに温めたい場合に役立ちます。
設置する際は、ケージ全体ではなく一部分だけを温めるようにすると、リクガメが自分で快適な場所を選べます。
よくある質問

温湿度計は何個必要?
基本的には2個の設置を強くおすすめします。 1個だけだとケージ内の一部分の環境しか分かりません。
「暖かい場所(ホットスポット)」と「涼しい場所(シェルター側)」の2箇所に置くことで、正しい温度勾配ができているかを正確に判断できます。
アナログとデジタルはどちらがおすすめ?
初心者の方は「デジタルタイプ」の一択です。
数値が明確で読み間違いがなく、最高・最低温度のメモリー機能がついているものが多いため、飼育管理のしやすさが段違いです。
アナログは電池が不要というメリットがあるため、サブ用として活用するのが良いでしょう。
ベビーリクガメの湿度は何%が目安?
種類にもよりますが、多くのリクガメのベビー期(甲長10cm未満ほど)は、湿度60%〜70%以上を目安に、ややしっとりした環境を維持するのが安全です。
成長して体力がつけば、その種類の本来の適正湿度(乾燥地帯の種なら40〜50%など)に合わせていきます。
まとめ
- 温湿度計はリクガメ飼育の必需品:人間の感覚に頼らず、数値で毎日管理することがリクガメの命を守ります。
- 初心者はデジタルタイプがおすすめ:パッと見やすく、夜間の冷え込みも記録できる「最高・最低温度記録機能」付きを選びましょう。
- 可能であれば複数設置して温度差を確認しよう:ホットスポットとクールスポットの2箇所に設置し、リクガメが自分で選べる快適な「温度勾配」を作りましょう。
温湿度計は設置して終わりではなく、毎日数値を確認し、季節や室温の変化に合わせて保温器具や加湿器を調整することが大切です。
リクガメは万全な温湿度環境さえ整えてあげれば、何十年も一緒に暮らせる最高のパートナーになります。
ぜひ愛亀にぴったりの温湿度計を見つけて、快適なリクガメライフをサポートしてあげてくださいね。
